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This blog is Written by 小林 谺,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
徒然なる、谺の戯言日記。
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11/01 御手紙
前略。
言い切れないほどの、感謝と謝罪を―――。


ここから先は、独りで歩む道。
誰も伴わずに…。
これは、あの時ためらってしまった事が全ての始まり。
そして今もおめおめと生きるこの身は、
宛を失った忠誠と共に今もそれを果たせぬまま。
全てを清算して、その元へと向かう事は出来たのに。
そうしなかった愚かな私。
今はまだ、唯一の心残りがあるから―――。
守りたいものがあるから、ここに在る事をお許し下さい。
時が流れ―――この手に、この心に、残りしその一つが失われた時、
私はそこへと向かいます。

今も変わらず、誓いし忠誠はただ独りのためだけに。
今も変わらず、ここにあるから。

だからもう少しだけ―――。
見苦しく愚かしくそこにしがみ付いて、在る。
死に得た存在として、動く自動人形。


何を求め、
何を期待していたのか、
今となってはわからない。
ただ一つだけ言えるのは。
私の時間はアノトキから止まっていた。
そうして再び動き出してはみたが、歯車が噛み合わなかっただけの事。
ただ、それだけの事―――。

己の全てを初期化しようと試みたが、それは半端に終わり、
己のみに関わるモノだけがここに残った。
過ぎた時間は戻る事はなく、
過去にあった事は消える事はなく、
消えてしまったモノが戻る事もなく。
だから。
全てを消そうと、そう思っていた。
「誰か」に負荷が加わる前に、
「誰か」を望む前に、
己が、惜しくなる前に。

そうしているうちにダラダラと時は流れ続け、未来へと繋がっていた。
辿り着く場所がどこなのかはわからないが、
最後にイク場所はもう決まっているから。
迷う事なく、進む事が出来る。
今、守りたいと思うモノを守るために、在る。
ただ、それだけのために。


有り難う。
たくさんの思い出を、想いを、願いを、与えてくれて。
それらがあったから今なお動き続けてる。

ごめんなさい。
たくさんの思い出と、想いと、願いとに、背を向けて。
それらを捨ててしまう時がくるから。

大好きな人達。
どうか、どうか―――。
アナタ方の胸にいつも光がありますように。
アナタ方の想いのままに、己を信じ貫き通せますように。

そして。
大切に、幸せになって欲しいと望む。
その行く末を見守りたいけれど、今のままでも十分幸せそうに映るから。

何かを望んだわけではなく、ただ、心残りがあったからそこに居ただけ。
でも、それが消えてしまえば居る意味はない。
私の望む先は一つだから。
私の帰る先は一つだから。
ありがとう、そして、さようなら―――。
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