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This blog is Written by 小林 谺,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
徒然なる、谺の戯言日記。
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07/15 ヨシ。
12日から、高校野球の神奈川大会が開幕。
応援してるトコはシードなので、今日が今大会初めての試合。
無事に初戦突破。
一安心。

仮に今年甲子園へ行けたとしても、よんよんがいるから観覧に行くのは無理かな……とか思うと少し淋しいけど。
初甲子園はここの学校の応援で!って決めてたからさぁ。
母校が何度か行ったけどスルーだったし。

あぁ、よりにもよって今年はいけるの!? ってのも淋しいけれど。
でも負けないで本大会出場して欲しいって気持ちもあって複雑だ。
 
 
 
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「4章:成す者」の5をUPしました。

待たせた割に中身は薄いですよね。。。
ほぼ会話。
ザンギィルとサディアウィ親子。
父は問答無用で優秀です。
さて息子は――脳ある鷹だったらいいんですけどねぇ。
はてさて。


というか、やっと更新できましたよ。。。

更新が止まっていた中で生まれた娘――よんよんはすでに寝返りころころしまくりです。
これだけでも、何ヶ月も間が空いていたのかがよくわかりますが、調べてみたら何と10ヶ月ぶりでした。
ダメダメさ加減しか伝わりません。

ローペースながらも、少しずつ更新していけるよう心がけます。
月1が目標。



誤字脱字等発見されましたら、お知らせ下さい。
宜しくお願いします。
「寝言」の引越しが無事に終了しました。

睡眠時間を削ったかいがありましたよ。
お陰で眠くて仕方ありません。
自業自得ですが。


でも1つわかった事があります。
よんよんを抱っこしながら作業するのは無理ですな。
全然集中できないし、二重の意味で危ない。。。
 20 謝れ!!


 コホン、とガゼルが咳払いを1つ。

「それで、コハク。聞きたい事があるんだが」
「おお、尋問ってヤツだな。オレにわかる範囲ならどんと来い! ―――つーか何で捕まってんのかわかんないんだけどさ」
「………お前と一緒にいた女の事だが」
「琳ちゃん?」
「そういう名前なのか?」
「えーと…。名前は、琳子だけど」
「リンコ。―――輪なる淵より出でし者、か。なるほど、どうやら間違いないらしい」
「………何が?」
「お前は一緒にいたそうだが。その者は、ここで何をすると言っていた?」
「ここで? 琳ちゃんが?」
「そうだ」
「別に」
「は?」
「別に、何も。だって、いきなりこんなトコ出ちゃって右も左もわかんないし、これからどうしようって話をしてた。最初夢かと思ったし、でも夢じゃないっぽぃし」
「………それは、本当か?」
「うん。ああ、そういえば! オレ、琳ちゃん崖から突き落としちゃったんだよ、大丈夫かなっ!? 無事かな? オレ、どうしよう。琳ちゃんがいないと…っ!」
「その女なら、無事だろう。神聖レシル王国の宰相が直々に連れて返ったそうだからな」
「しんせいれしるおうこく?」
「そうだ」
「連れ帰ったって、誘拐!? え、琳ちゃんも攫われてんの!?」
「そうではないだろう。元々、お前達を呼んだのは、その宰相どもだ」
「………そうなの?」
「ああ」
「何で?」

 何気なく問い掛けた琥珀のその科白に、それまで和らいでいた―――どちらかと言えば、和やかというよりは苦悩といった風だったが―――顔が、途端に険しくなった。

「―――我々をこの地から追い出そうとしているのだ」

 ややあって、酷く重い口調でガゼルは答える。

「確かに、国ではないし、規模を見れば小さな集落に過ぎない。それでも、このエリシオール大陸のこの地に長く住んで来た者達ばかりだ。交流も友好なものだったというのに、今になって侵略しようなどと」
「侵略!?」
「そうだ。3柱の住む地の間近に、国に属すでもなく、他国に属すでもなく存在する地などあってはならぬと。ただし、まともに遣り合っても負けないまでも自国の力を削ぐ事をわかっていて、お前達を呼んだのだ」
「まさか! オレも琳ちゃんもそんな事しないよ!?」
「それは、お前が何も知らないから言える科白だ! あの宰相に連れて行かれた女は 「琳ちゃんは絶対しない!」

 声を荒げたガゼルの声を遮るように、琥珀が怒気を孕んだ叫びを上げる。

「確かに、琳ちゃんは、やられたらやり返すけど。でも、理由もなく誰かを苦しめるような事はしないし、暴力で解決しようなんてしない。琳ちゃんは、誰とだって話をして分かり合おうとする。勿論、他人と完全に理解し合うなんて無理だけど、それでも、琳ちゃんは相手の言い分も聞かないでそんな事したりしない。絶対に」
「なら、奴等が、勝手な話をでっち上げたらどうだ?」
「え…?」
「我々が、人々に危害を加えていると。国を攻め滅ぼされるとでも言えば?」
「………それは。でも、実際そういう事しない限り琳ちゃんは動かないし、―――――もし、そう言われたって、きっと琳ちゃんなら、本当にそうなのか自分で確かめる筈だ」
「どうだろうな。口で言うのは簡単だ」
「絶対っての! オレ、命だってかけられるね、琳ちゃんの事なら」

 強い核心の眼差しでガゼルを見やり、断言した。

「そうか。なら、その命、その女が攻めてきたら最初に落としてやる」

 淡々とした声で返したガゼルの科白に、琥珀は一瞬だけ硬直してから、得意げな笑みを浮かべ、

「いーよ。ただし、琳ちゃんが攻める訳じゃなくて、話をしに来た場合、お前、謝れよな」

 そんなすっとんきょうな科白を口にした。
 ガゼルが一瞬呆けたのも仕方ないのかもしれない。

「………何? 何でオレがお前に謝る必要がある」
「オレにじゃねーよ!!」
「は?」
「琳ちゃんに! オレ、絶対怒られるから、お前も一緒に怒られろって言ってんだよ! あんな状況になって、琳ちゃん助けもしないで、しかも捕まって連れてかれちゃってんだよ? 絶対、琳ちゃん怒ってるに決まってんだから。だから謝るんだよ。本当はオレを連れて来たヤツが1番いいんだけど。お前、責任者なんだろ? だから当然じゃね?」
「何でそんな事でオレが頭を下げないといけないんだ。捕まった間抜けはお前だろうが」
「ぐっ…! それは、そうだけどっ」
「第一、来るかどうかもわからないような 「来る!!」

 ぐっ、と琥珀は両の拳を力いっぱい握り締める。

「オレがここにいるってわかれば、絶対来る!」
「確かに、お前を助けに来るだろう。もとより、それが狙 「違っ! 全然違う!!」

 何を当然、といった顔で告げるガゼルの科白を渾身の叫びで遮ってから、がっくりと項垂れ、

「オレを怒りに来るに決まってんじゃん。琳ちゃん、絶対怒ってるんだから」

 弱々しく告げる声は、本気で弱りきっていた。
 その様子に、ガゼルは当惑した、というよりは困惑したといった方が正しい顔をしてみせる。

「オレのが全面的に悪いだろうし、あの状況だと………。大体さ、そんな話に琳ちゃんが乗ると思う? こっちの都合だってあるとか何とか言って、今すぐ帰るとか言うだろうし。でも、オレがこっちにいるから帰るに帰れないだろうからさ。そうなると、やっぱりオレが怒られる訳で………」

 ぶちぶち項垂れて呟く姿に、ガゼルは眉間に皺を寄せた。
 これまでに得ていた情報と琥珀の語った話とを照らし合わせてみると、全く符合しない。
 訝しく思いつつ、ガゼルは思考を打ち消すように頭を振った。

「とにかく、オレの用事はそれだけだ」

 淡白に告げて、顔を上げた琥珀を一瞥し、肩越しに振り返る。

「部屋へ戻しておけ。下ではなく、上の奥だ」
「■■■■■■■■?」
「ああ。それと、キィを呼んでくれ」
「■■■■、■■■■■■?」
「ああ」
「■■■■■」

 執事が答え、一礼し、扉の外へと出て行った。
 それを見送って向き直ったガゼルは、自身を茫然と眺めている琥珀と眼が合う。

「やっぱ、あんたのはわかるけど、あっちのはわかんなかった」

 ぽつり、と今更な感想を口にした。



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 19 黒の加護


 どういう状況なんだろう、と琥珀は何度目かの自問自答をしてみる。
 あの狭い上に薄暗くて退屈だった牢屋から出され、菓子パン――のようなもの――を差し出されたので素直に受け取りそれを食べながら、引っ立てられた。
 言葉は通じないが何かしら食べ物を与えていれば大人しくしている、という認識をもたれていたがための結果なのだが、それで本当に大人しく従っているのも何である。
 手持ちの菓子パンがなくなると、次が渡された。
 餌付けされているように思えなくもない。

 で。

 彼は今、まるで書斎のような部屋の真ん中に立たされている。
 目の前数メートル先には、黒光りするやたら豪奢な机がででんと鎮座ましましている。が、そこには誰も座っていない。
 連行して来た2人とは廊下で別れ、琥珀は1人この部屋へと通されていた。
 無論、中には先客がいたが。
 引き渡される形だったのだろう、何か文言のやりとりはあったが、当然のように琥珀には理解出来なかった。
 中にいた者から、そこに立つよう身振りで示されて、現在に繋がる。
 違う点といえば、手元の菓子パンが尽きたため、手持ち無沙汰で周りを眺めつつ思考しているという事だ。
 部屋にいたもう1人は、ドアの近くでやはり佇んでいる。
 肩越しに振り返ると、物凄い冷めためでジロリと睨まれた。
 その姿は、まるで執事さながらだった。黒一色で決めたスーツのような服装で、そこだけをとっても他の者とは服装が若干違う。髪は短くオールバックにまとめられ、白髪にも見える銀髪。目は切れ長の深い紫色をしていた。肌の色は青白いが、不健康そうには見えない。
 人間に見えなくもない外見。
 その耳が若干長く、尖っている事を除けば。
 琥珀から見ると言葉が通じそうな気がする、ここで目にした唯一の存在なのだが、部屋に入る際になされていた会話で無理だろうと判断していた。
 そもそも、言葉が通じるなら身振りで示す必要などなかったのだから。

(………ひ、暇だ…)

 内心、力なく呻く。
 琥珀の1番嫌いな事、それが大人しくじっとしているというのもだった。
 落ち着きがないと言われればそれまでだが、そうしていると、そのまま動けなくなりそうで恐怖を感じるという、琥珀的にきちんとした理由があった。
 無論、そんな訳ないのだが。

 と。

 扉が2回、ノックされた。
 思わず肩越しに振り返った琥珀は、また睨まれて、慌てて正面へと向き直る。

(………あ、あの人苦手だ…っ)

 無表情で無言で睨まれるくらいなら怒鳴られた方がマシな人種である。
 ガクブルと意味もなく恐怖を感じる琥珀の背後で、動く気配がして、扉の開く音がし、静かに閉じられる。
 かすかな衣擦れの音を立てて、すぐ背後に誰かが近付いたのがわかった。
 ヒクリと頬を引き攣らせ、振り返りたい衝動と戦う。
 身の危険といったものは感じないが、代わりに品定めされているような視線を背に感じる。
 物凄い気持ち悪い。
 嫌な気分になりつつ、必死に堪え―――

(何かムカ付いてきたっ!)

 きれる訳もなく、琥珀は振り返った。
 本気で、躰ごと。肩越しなんてケチな真似はしないで向き直る。
 睨んでやる、怒鳴ってやる、と意気込んで振り返ったものの、30センチほどの距離を置いて立っていた姿に、怒り心頭だった琥珀の顔から全部の力が抜けた。
 間抜け顔で、相手をぽかんと見上げる。

「………目が三つ」

 暫くして口を付いたのは、そんな科白で、それに続くように琥珀の顔が嬉々としたものに変わった。
 対して、対峙していた者は軽く眉を顰めたのだが。
 そこにいたのは、琥珀より若干背丈の低い男だった。浅黒い肌、短い黒髪、白金の眼、少し耳が尖っているだけの人に良く似た姿だった。琥珀の言ったように、額に縦長の黒い眼さえなければ。身に付けている服はいかにもファンタジーチックだが。

「額に第3の目っ、心の眼か? 悟り開いてんの? それとも邪眼? うわ、カッコイーっ!!」

 水を得た魚のように叫んだ琥珀に、相手の顔が更に怪訝そうなものへと変わる。

「………どういう事だ? 言葉は通じないと聞いたが」

 肩越しに振り返って、そんな科白を口にした。
 対して、変わらず扉の前に控えていた執事が幾分表情を険しくし、何やら答える。
 それは琥珀にはわからない、わからないが―――

「そうか、これも加護の影響か」

 そう思案顔で頷いた者の言葉は、紛れもなく日本語に聞こえた。

「あんた、オレの言葉わかんの? ってか、あんたのしゃべってるのオレわかるよーっ!!」
「いちいち叫ばなくても聞こえる。普通に話せ」
「うおぉ、マジで会話出来てるっ!? 3日、3日ぶりに普通に会話してるよぉお」
「………話を聞け」

 げんなりとした科白も気にせず、琥珀は歓喜の余り涙ぐんでいた。

「だ、誰も通じなくって、オレ暇で暇で……。いや、飯は美味いからそこはいいんだけど、でもやっぱり…」

 うう、と嗚咽を漏らす。

「………何なんだコイツは」

 心底嬉しそうに涙する姿に、溜息にも似た呟き口にしてから、気を取り直すように琥珀を見据える。

「手間が省けたから由とするか。オレの名は、ガゼル=エレイオラと言う。お前は?」

 その科白に琥珀はぱっと顔を上げ、嬉しそうに男――ガゼルを見つめ、

「な、名乗られた。名乗ってくれたっ! しかも名前聞かれてるオレ!! 未知との遭遇キターっ!!」

 妙な所で歓喜の叫びを上げ、それから大きく深呼吸。
 向かい合うガゼルは若干引き気味だ。

「琥珀。斎賀琥珀ってーの」
「サイガコハク? 変わった名前だな」
「あ、いや。琥珀が名前で、斎賀が苗字」
「………コハク=サイガか。なるほど、家名持ちか」
「あ、うん、そう。おお、ますますRPGっぽぃな。それに言葉通じるヤツがいて本当よかったっ! って、あれ? あんた、ええと、ガゼルって言ったっけ? さっき、そのまんまでアイツともしゃべってたよな?」
「ああ」
「同じ言葉使ってる、んだよな?」
「ああ」
「何で通じんの?」
「3柱を体現する、黒の加護の影響だろう」
「黒の加護? つか、3柱って?」
「この世界の創造神だ。体現した姿が、外見に黒を持つ。ゆえに、黒の加護だ。3柱の加護を強く受ける者は、その身の色に黒を宿しているため、加護持ちと呼ばれる。お前は髪はともかく、目は黒いからな。お前も加護持ちだ」
「………あんたも黒い髪だな。あんたも、その、黒の加護?」
「オレのは、魔王の証だ」
「ま」

 最初の一言だけを発して、琥珀が硬直した。

「魔族の王という意味ではない。3柱から与えられた、目印のようなものだ。この額の眼と髪の色がその証」
「………ま、魔王なのに魔族の王じゃないのかよっ!?」
「そうだ」

 あっさりと肯定した科白に、琥珀は打ちひしがれた顔になった。

「ええ、じゃ、王というからにはエライ人なのに、えらくない?」
「このあたりの責任者ではある。ただ、他の地に住む魔族の同行など知らんし、知ろうとも思わない。魔王というのはただ、世界に必要な歯車の1つに過ぎない。存在の在り方は違うが、精霊王と似たようなものだ」
「せ、精霊王なんてのまでいるのか!?」
「厳密に、いる、という訳ではないが」
「う、ううん? 何か難しくなってきたな…」
「余所から来たお前に、この世界の仕組みをこの場で話に聞いて理解するのは無理だろうし、詳しく話してやる気もない」
「ええっ!? そんな、折角の未知との遭遇なのに、教えてくれたって…っ!」
「そんな時間もないだろう。恐らくな」
「ええっ!? オレもっとしゃべりたいっ!」
「………そういう意味じゃない。会話が出来るという点に関しては、恐らく、加護持ちなら他の者でも会話は出来るだろう。後で話し相手を作ってやるからとりあえず、叫ぶな」
「………わかった。いや、よくわかんねーけど…―――――ま、よろしく!」
「よろしく?」
「ああ」
「自分の立場が理解出来てないのか? まぁ、言葉が通じなかったのであれば仕方ないだろうが…」
「あー…えっと、オレ、捕まってんだよね? 牢屋っぽいってか、アレ牢屋だろうけど。でも食べ物美味いから、暇な点と言葉が通じないのを除けば、まぁ、不自由ないからな~」
「………わかっていてそれなのか」
「何が?」

 きょとん、として問い返す姿に、ガゼルは思わず頭を抱えたくなった。



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